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平らなものに金箔貼り(素地全面に貼る場合)

ここでは、工芸の初心者の方に向けて、金箔を貼る手順を紹介致します。プロ、上級者の方は色々な方法をご存知かと思いますが、ここでは初心者向けに比較的簡単な方法を案内致します。 本漆は皮膚がかぶれたりしますし、2液性樹脂塗料は扱いが難しいので、工芸初心者でも簡単に扱える、金箔用接着剤を使って進めていきます。平らなものと、立体的で凹凸のあるもの、の2つの方法をお教え致します。また、金箔はツヤのある貼り方とツヤのない貼り方がありますので、その辺もよくご覧下さい。

1.道具の準備

用意するもの
  • 金箔金箔
  • 素地素地
  • 金箔用接着剤金箔用接着剤
  • 接着剤薄め液接着剤薄め液
  • 接着剤溶き皿接着剤溶き皿
  • マスキングシール、テープマスキングシール、
    テープ
  • 柔らかな毛筆2本柔らかな毛筆2本
  • 竹箸竹箸
  • 定規定規
  • 接着剤を拭き取る布接着剤を拭き取る布
  • 綿綿
  • コーティング剤コーティング剤
  • 金箔
  • 金箔
現在、全国で生産される金箔の99%が金沢で作られているんです!その厚さは1万分の1ミリという超極薄!重量感は全くありません!金箔は金・銀・銅の合金比率によって色目が異なります。見比べると、赤味のある5毛色や黄緑味のある3歩色などがあります。金とは1色ではないのです!詳しくは各種金箔ページをご覧下さい。
  • 接着剤
  • 接着剤
工芸品では接着剤として漆などを使用しますが、肌がかぶれたり取扱いが容易でないなど不便な面があります。金箔用接着剤なら、漆の代替品として扱いやすい樹脂系接着剤で、プロ用としても長年の実績があります。出来るだけ薄く塗るのが綺麗に箔を貼るコツ。接着剤自体が茶色いので塗った所や塗り具合が判断しやすくなっています。
  • 竹箸
  • 竹箸
金箔を掴めるものなら何でもいい。そんな安易な考えは失敗の基ですよ!金箔は1万分の1ミリ。0.1ミクロンの薄い金属箔ですので、静電気でくっついてしまったりと取扱いが厄介な面があります。静電気の起きない金箔専用の竹箸をオススメします。
  • コーティング剤
  • コーティング剤
貼り付けた金箔が簡単に剥がれなくする為に使用します。ホームセンターで売っているラッカースプレーのようなものでも良いでしょう。コーティングをやりすぎるとムラができてしまうので注意が必要です。 ※コーティングについて詳細はこちら

2.素地の準備

素地の準備

金箔貼りしたいものに汚れや油分があると綺麗に貼り付けられないので、十分に拭き取って乾燥させて下さい。

紙や木材等、液体を吸い込むものは、金箔用接着剤を吸い込んでしまう為、金箔貼りには適しません。(接着剤が染みこまないような下地処理をすれば金箔貼り可能です。)

≫紙や木の下地処理について

3.接着剤を薄める

接着剤を薄める

金箔用接着剤を接着剤溶き皿に出し、薄め液(揮発性のある油やシンナー等)で通常の10倍程度に薄めます。

※紙コップ等の液体の染み込む容器は避け、陶器やガラス製等の防水性のあるものをご使用下さい。

4.接着剤の塗布

接着剤の塗布

薄めた接着剤を毛筆を使って塗布し、放置します。

※出来るだけ薄く塗布すると、綺麗に金箔を貼れます!金箔用接着剤なら色付き(茶色)なので、接着剤の塗り残しが一目でわかります!

※プロ用としても使われている本格的な金箔貼り用接着剤です!間違っても市販のボンドやのりで接着しないように!

5.接着剤を拭き取る

数分放置して、薄め液を揮発させます。表面に粘り気が出てきたら、毛羽立たない布で粘り気を取るように拭いて下さい。

※接着剤の拭き取りが少ないと、金箔を貼ったときにムラが表れやすくなります。逆に拭き取り過ぎると金箔が貼り付けられなくなるので注意が必要となります。

艶押しと重押し 金箔をただ貼るだけでは初心者から抜け出せません! ここでは貼り付けた金箔の光沢感を強調させたり、逆に弱めさせたり出来る方法を紹介します!詳しくは下部を要チェックです!

艶押し

艶押し上写真:接着剤を強めに拭き取る。

光沢感のある金箔の貼り方です。接着剤拭き取り面を、元の素地と同じくらいの光沢感になるまで強めに拭き取って下さい。

単純な作業ですが、これが意外とムズカシイ!

※重要ポイント!! 左図のように接着剤塗布面が元の皿と同じくらいの光沢になるまで拭いて下さい。拭きすぎた、と思うくらいでちょうど良いです。うっすらと残っている位で十分なのです。極端な言い方をしますと、金箔には厚みがほとんど無いので、拭き取った後の素地のつや加減がそのまま金箔を貼った時のつやになるとお考え下さい。
艶押しで仕上げた金箔の拡大写真上写真:艶押しで仕上げた金箔の拡大写真。 光沢感があり、シワがない。
接着剤塗布面艶押しの拭き取り方は接着剤塗布面が 上図の黒い部分のように見えます。

重押し

重押し

金箔の光沢感をあえて弱め、シワを残す方法。接着剤の拭き取り跡(白いシワのような)が残るように拭いて下さい。

同じ金箔貼りでも光沢感を自在に操れるようになれればプロ級?ですよ!

※左図のように接着剤塗布跡が見える程度に拭き取って下さい。
重押しで仕上げた金箔の拡大写真上写真:重押しで仕上げた金箔の拡大写真。 艶押しより光沢感がなく、 シワをあえて付ける。
接着剤塗布面重押しの拭き取り方は接着剤塗布面が 上図の黒い部分のように見えます。

拭き取り加減のコツを掴むには慣れが必要です。

初めての方は水気・粘り気がなくなり、軽く拭けるくらいが頃合いと思えば良いかと思います。

6.金箔を貼る

金箔を貼る

金箔を定規を使い、適切なサイズにカットします。

※下に厚紙を敷き、金箔と定規の間に柔らかな紙(和紙等)を当てカッターでカットして下さい。

カットした金箔を竹箸で掴み、接着剤を塗布した面に乗せます。

貼り残しが出る場合は、細かく切った金箔を重ねるように貼って下さい。

金箔を掴むコツ:金箔の厚さは1万分の1ミリ(約0.1~0.2ミクロン)と極薄の為、竹箸で掴むと簡単にちぎれてしまいます。上図のように1辺を挟んで持ち上げると形を崩さずに済むでしょう。

竹箸で金を掴む際にシワが出来てしまったら!?:軽く吐息を吹きかけてシワを伸ばして下さい。箸や指等で直接金箔に触れると破れる元となるので止めましょう。

7.金箔押さえ

金箔押さえ

接着剤塗布全面に金箔を貼り終えたら、面で上から軽く押さえて下さい。その際、に金箔が破れてしまったら、細かく切った金箔を上から重ねるように貼って下さい。

※金箔の継ぎ足し・重なりが無く1枚で貼ってしまう方が綺麗に仕上がりますが、金箔が重なり合っていても、次の金箔払いの行程で表面を整えることができます。この段階で見た目が悪くとも接着剤塗布全面に金箔を貼りましょう!

8.重なり合った金箔を払う

重なり合った金箔を払う

乾燥した柔らかい毛筆を使い、金箔の重なり合った箇所を払い落とし、表面を整えます。その際に出たバリは柔らかな綿で押さえて下さい。

※表面を綺麗に仕上げるには、できるだけ柔らかい毛筆をご使用下さい。もし、金箔の貼り付いていない箇所を見つけた場合は金箔が重なって余った部分を寄せるように貼り付けて下さい。

9.乾燥

乾燥
完全に乾燥するまで放置します。 皿や箸等、普段からよく手で触れるようなものの場合は3日間程乾燥させた方が良いでしょう。

10.コーティング

コーティング

最後にコーティング剤で仕上げます。身近で手に入るものとしてはホームセンター等で販売されているラッカースプレーが良いでしょう。

※いくらコーティングしたとはいえ、箸や茶碗等に金箔貼りをした場合は食器洗い等で擦れる機会が多いと、繊細な金箔は剥がれてしまいます。どこに金箔を貼るのか事前に考慮しておくと良いでしょう。

■コーティング剤も用途に合った種類があります
金箔貼りの手順は以上です。これであなたも伝統工芸作家の仲間入り!
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